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お土産に求めるものの全て [・・・なこと]

「あなたにお土産があります」とメールが届いた。
 あやしい。見知らぬアドレスから届いていたのなら、高い確率でお土産代の百倍以上の出費を覚悟しなければならない。しかし、アドレスは親友からのもの。違った意味であやしい。出費の覚悟は必要なさそうだが、加齢とともに失われていくノリの良さを鍛えて臨む必要がありそうだ。
 予定をいれた翌週までAKBの誰ぞやが、ユーキャンでなんらかの資格を取得するために払ったであろう労力の5%をノリの良さ回復に払った。

 あっという間に本番。目の前に差し出された包みを開く。

P1050043.JPG

 右はツタンカーメンだろう。左は誰だ?自分が鍛えるべきものを勘違いしていたことに気づく。わからないものはしかたがない。敗因の分析は後にしてこちらの反応を伺っている友人に教えを乞う。
「こっちは何?」
「ネテルティティ。んっ?ネティルチチ?う~ん、何だったっけ?」
「ネフェルティティ王妃」
 隣で茶菓子を準備している友人の奥様が噛んで含めるようにゆっくりと発声した。きちんとした準備でこの場に臨んだのはどうやら彼女だけのようだ。

 さて次の疑問。この家族はどこに行ったのだろうか?ネフェルティティの頭をノックしてペン先を出したり引っ込めたりしてボールペンとしての機能を確認しながら考える。
「エジプトなの?」
「エジプトでいいの?」ファイナルアンサー?とでも言いたげに友人が聞く。
「ちょっと待って」往生際の悪さには自信がある。手のひらにあるヒントを子細に眺める。
 おやっ?

P1050046.JPG

 なるほど、後は裏付けのための誘導尋問の手順を間違えなければ良いだけだ。鍛え間違えたノリを無駄に使いまくって確信した旅行先を伝える。

「ハワイ」
「ハワイでいいの?」惑わすような笑みを浮かべながら尋ねてきた。
「いい。ファイナルアンサー!」
「・・・・・・正解。ネットでお土産を事前購入したんだけど、どれも面白くないんだよね。このボールペンのセットが一番だったね」
 友人の奥様が傍らで淹れてくれたコーヒーは私の好きなコナコーヒーだった。たぶん奥様が買ったものだろう。
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もっきー

通勤電車で胸ポケから顔をのぞかせてれば、ステキな淑女が声をかけてくれることでしょう
by もっきー (2013-08-10 23:36) 

パキ

>もっきー さん
まずは初級のツタンカーメンでチャレンジしてみます。
by パキ (2013-08-12 22:58) 

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