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落とし穴的コミュニケーションの落とし穴 [・・・なこと]

 もしかして潮目が変わったのではと感じたのは先月の初めに坊主した時だ。
 私のイカしたナウいヘアスタイルを見て「どうしたんですか?」と聞いてくれた人に「クールビズです」というあっさり目の返しと「最近、人としてのクセが髪の毛に移ってクリンクリンだったので、全部刈って見た目も中身もクセのない人になってみました」というくど目の返しを準備しておいた。
 しかし職場では私の頭を見てちょっとだけ目を見開いただけで、後は何事もなかったかのように仕事の要件を話す人ばかり。以前の坊主姿が記憶に残っている数人だけが「久しぶりの坊主ですね」と感想を伝えてくれただけで会話が深まることはなかった。

 そんなはずはない。私はまだまだ現役のはずだ。
 昼休みに百均で買ってきたそろばんをPCの横に置いたのは、坊主不発事件から二週間ほど経った頃だ。
「そろばんでバグ調査ですか?」
 きたぁっ!「なんだかんだでPCも当てにならない時がありますからね。日本人ならそろばんでしょ!」クールに応えたつもりだったが少し鼻の穴が膨らんでいたかもしれない。その後も105円の出費が安すぎだろうと思えるほどの反応。そうだ坊主の時はたまたま日が悪かっただけに違いない。

 そして先日手に入れた最強アイテムのネフェルティティボールペンを投入する日がきた。筆入れからそっと取り出し、職場のペントレイの中に仕込み出番を待つ。
「こちらにサインをお願いします」
 きたぁっ!おもむろにネフェルティティに手を伸ばし頭をノック。差し出された書類に氏名を記入し「はい」と手渡す。
「ありがとうございます。ここに印鑑もお願いします」
 ネフェルティティが完全に日常にとけ込んでしまっていた。まさか王家の呪いか?呪いにしてはゆるすぎる。
 一週間が経ったが、関西人の後輩が唯一「なんですか?その気持ちの悪い顔は」とネフェルティティの怒りを買うような質問をしてくれただけ。
「ネフェルティティっていうんだ。気づいてくれてありがとうね」
 準備していた蘊蓄と適当に作った物語は霧散していた。
 ツールに頼ったコミュニケーションの限界かもしれない。次のステージに進むべき時なのかもしれないが最初の一歩をどう踏み出せばよいかがわからない・・・

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コメント 2

BH

1.丸刈りは5厘ですか? それ以下でなきゃ反応はないでしょう。
2.そろばんは6玉で、子どもがスケボー代わりにできる大きさのでないと。
3.ネヘルチチか、ツタン仮面か、選択肢を与えないと。

抜かりなければそれなりの反応を期待できると予想します。
by BH (2013-08-14 09:39) 

パキ

>BH さん
1.1.2cmです
2.13桁です
3.ネヘルチチだけで勝負してました

自分の甘さを痛感しました。
今の路線を突き詰めようと思います。
by パキ (2013-08-18 22:52) 

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