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義母と戯れる秋 [・・・なこと]

 静養と称して義母が我が家に来ていた。

 朝目覚めると義母は台所に立ち、大きな鍋を丁寧にかき回していた。
「あれ?今回は静養じゃなかったんですか?」まるで魔女が大釜を混ぜているようですよという言葉はしっかりと飲み込む。
「楽しみにしてなはれ。パキさんが帰ってくるころには出来上がってますから」満面の笑顔で返してくれた。注目を浴びて機嫌が良くなったのか、鼻歌も始まる。その鼻歌が呪文のように聞こえますます魔女の様相を呈す。
 どちらかといえば料理は嫌いな義母。妻の出産で手伝いに来てくれたときも極力料理は避け、他の面でサポートしてくれていた。そんな義母が笑顔と鼻歌交じりで鍋をかき回している。いったい何を作っているのやら。

 帰宅時間はいつもの就寝時刻を過ぎていたが義母は起きていた。
 妻が晩飯の準備をする傍らで義母も例の鍋から何やらお椀に移している。しかして私の目の前に置かれたお椀は、薄い焦げ茶色をしたお粥のような物体で満たされていた。
「甘酒です。近頃の甘酒は酒粕で作るのでアルコールが残っていたりするけれど、本来は麹と米で作るものなで、小さな子供でも飲めるんですよ」
 そうだ、義母は最近塩麹にはまっていて、自作の塩麹を宅配便で送ってきてくれたこともあった。麹繋がりで甘酒に手を出したらしい。
「なんだか不思議な色ですね」見慣れない物を口にする前に疑問は解決しておくべきであろう。
「手順通りに作ったのだけれど、火力がわからなくて焦げちゃったのよ。初めてだとなかなか書いてある通りにはいかないわね」
「奈良では作ったことがなかったんですね。で、おいしいんですか?」本当に聞きたいことは、そのままずばり聞くことが異文化コミュニケーションの鉄則である。
「ええ、まあ・・・」
 あいまいな表現で真実を伝えられるのは日本人の美徳である。だいたいのところが判明したところで妻が助け船を出す。麗しい親子愛である。
「お姉ちゃんは全部食べたのよ。みっこは一口でやめたけど・・・そうそうご近所さんにも振る舞ったのよ」
 フォローになっていない。しかし味見後にご近所に振る舞う気になったのだから、それなりの味には仕上がったのか?はたまた我が家では捌ききれないという現実にご近所さんが巻き込まれたのか?

 ええい、うだうだ考えても何もならん。ままよ!

 なるほど、ご近所さんにお会いしたら丁寧にお詫びしよう。誠意を持って臨めば許されることの範疇に入っていることを期待して。

義母の生態が気になた方はこちらもどうぞ
>>義母と戯れる連休

友に安らかな日常を [・・・なこと]

 前記事にこのようなコメントをいただいた。

mokky.JPG

 本気で心配してくれる友がいる。なんとありがたいことだろう。
 友情にただただ感謝するしかない若輩者ではあるが、あまり心配ばかり掛けるわけにはいかない。ソネブロの規約上しかたなくいい加減なイメージで通しているが、私も自立した一人の男。友が不眠症と胃潰瘍を併発する前に心配の元を払拭しておこう。

【ひったくり事件の概要】
 9日午後6時40分ごろから8時にかけて、スクーターの男が自転車の前かごから現金が入ったバッグをひったくるなどの事件が3件相次いだ。被害は約2キロの範囲内で発生しており、管轄署は同一犯の疑いもあるとみて調べる。

 なるほど、友の心配が良く分かる。
 だが、友よ安心したまえ、私には完璧なアリバイがある。
 その日午後8時過ぎまで職場にいたことは、同僚およびお客様の複数名が保証してくれる。

横断歩道は手をあげて渡りましょう♪ [・・・なこと]

 車の免許を持っている良男良女であれば誰もが知っている。けれど車に乗ると仕事の悩みや家庭の事情、民主党の向かう先などに煩わされてすっかり忘れてしまうあのルール。

~~~ 信号のない横断歩道では歩行者を優先すべし! ~~~

 自宅から最寄りの駅までの間に、信号はないがそれなりに車が往来する横断歩道が2ヶ所ある。朝、そんな通りで車の通過を待っていると車が止まってくれることがある。
 軽自動車のおばちゃん、ワゴンのあんちゃん、トラックのじいちゃんから果てはパトカーのおっちゃんまで、当たり前のように目の前で止まってくれる。パトカーが止まった時には、車内に呼ばれ日頃の良識ある行動に対して感謝状でも渡されるのかとビクビクしたが、ハンドルから離した手でどうぞ渡ってくださいとジェスチャーを示しただけだった。私が敬礼で返礼したのはいうまでもない。

 引っ越してから1年と数ヶ月、これまでの経験と比べると止まってくれる車が多い気がする。民度が高い街なのか?白タクの多い街なのか?はたまた私の神々しいまでのオーラが寝ぼけたドライバーの第六感を刺激したのか?

 謎は謎のまま状況を楽しむのが大人なのだと無意味な屁理屈で片付けずに検証してみた。

 件の横断歩道で、小走りに走り抜ければ渡れる状況であえて立ち止まり、右手から近づく車の列を待つ。
 姿勢を正し、複式呼吸で下腹に力を入れる。オーラの輝きが3割増したはずだ。
 マーチを追い越したビッグスクーターが目の前を颯爽と通過。サングラスでオーラが遮られたに違いない。続いてマーチも速度をあげながら通過。ビッグスクーターに気を取られるような茶髪のお姉さんに私のオーラは見えまい。そしてダンプもスルー。真ん中分けの運ちゃんと目は合ったような気はするがダンプは急には止まれない。
 ダンプの後ろのミニが私に気づけないのはしかたない。しかしその後ろの薄いピンクのタントのおばちゃんにオーラが響かないのはおかしい。納得がいかない。おばちゃん受けの良さの自信が崩れる。

 そろそろ本気でかかろう。右手を肩の高さまで上げ掌にオーラを集中させる。もちろん車の列にタクシーがないことは確認済み。
 向かいにいた女子中学生がオーラを感じているようだ。まぶしそうにこちらを見ている。しかし5台の車が何のためらいもなく通り過ぎ、列が切れる。
 唯一私のオーラを感知した女子中学生がこちらに向かって足を進める。
 検証は終わりにしよう。伸ばした右腕をくるくると回しながら横断歩道を渡る。薄ら笑いを浮かべながら俯いて歩いてくる女子中学生に気を取られ、左手の黒いバンが思ったより速度があることに気づくのが遅れる。慌てて走り出すが、あたりにクラクションの大音量が響き渡った。

 どうやら民度の低い隣街からの車が多い日だったようだ。オーラの強さは女子中学生の表情から確認できた。次はオーラを車に投げつけてみよう。

素直になるには年を取り過ぎた [・・・なこと]

 友人が焼き鳥屋を開業した。 これはいの一番に駆けつけて、ごちそうしてもらわねば。もとい!お祝いの言葉を送らねば。
 ただし、美味しかったらくやしいので焼き鳥のことは気付かなかったふりをして世間話をして帰ろう。不味かったら串を見つめて「悪くはない・・・悪くはないんだけど・・・」とつぶやいた後、友人の目を見つめて親指をつき出し大きく頷こう。それが親友というものだ。

 英語のよくわからない単語が書かれたTシャツにジーパン。ジーパンのベルト通しからはタオルがたれ、スーパーの駐車場で商売をするおっさんの風情を見事に体現して友人は待っていた。角型七輪と側には備長炭の詰まった段ボール。手には販促用のうちわ。
 できる!アウトドア用のコンロに木炭で適当にやっつけるのかと思いきや、きっちりと形から入っている。こいつはあなどれない。

 「大将、もうこの商売は長いの?」
 まずは手探りの状態からジャブだけでもと質問をしてみた。
 「二日目」
 本気の一発が返ってきた。味に自信があるのだ。冗談や照れ隠しでごまかす小手先だけの男じゃない。こちらも覚悟を見せねば。

 大将はバットに並んだネタからネギまをつまみタレにくぐらせた。
 「それは秘伝のタレ?」
 「そう。さっき作ったの・・・アチッ!」
 質問に気を取られて手を火傷したようだ。もう何も聞くまい。

 「よっしゃ。こんなもんだろ。食べて」
 大将が皿に置いた串を口へと運ぶ。
 旨い!肉は柔らかいしネギはジューシー、その両方に甘辛いタレが良くからんでベストマッチ。まさに焼き鳥のメインイベントやぁ
 次はレバー。しっかりと火が通っているのにパサつかずにねっとりとした舌触りを残して、まさにレバーとのディープキスやぁ
 砂肝はコリコリ。つくねはしっとり。ハツはほにゃらら。皮はチョメチョメ。

 とにかくどれも旨かった。この完成度は親友として許しがたい。
 「大将、勘定はつけといて」

 もう店には顔を出すまい。


そんな日が必ず来る。だから準備は抜かるな! [・・・なこと]

「実家に帰らせてもらいます!」
妻が言った。

俺が何をしたっていうんだ?
いや、何もしなかったとでもいうのか?
その問いは胸に秘め尋ねる。
「娘たちは?」

「連れていくわよ。」
当然だろう。私の子育ては変化球勝負。ストレートは見せ球以外投げない。私に預けるのはリスクが高い。

そして朝、そぼ降る雨の中、妻と娘二人は実家へと帰っていった。


一人残されて考える。自分は何をすべきか?

そんなのは分かり切っている。




その1.障子貼り
 引っ越した一週間後には和室の障子に最初の穴が開いていた。最近では猫の通用口のように穴は拡大し、娘たちがくぐって遊ぶ始末。百聞は一見にしかずと画像をお見せしようと思ったが、カメラは妻が持って行ってしまった。
 ホームセンターで買ってきた張替え用の障子紙についていた手順書に従って剥がしたり貼ったり切ったり。仕上がりはグダグダのヘロヘロ。やる気が消沈しかけたのだが、手順書の最後に”全体に霧吹きをしっかり掛けること”とあった。今更そんなことをしても何の救いにもならんだろうと思いつつも霧吹きを用意していたこともあり、やるだけのことはやった。
 合間に買い物に出掛けて帰ってみると、おおおっーと驚くほどでもないけれど、皺一つなく張りを保ち職人仕事のような完璧な状態になっているではないか!よくよく見ると細部に甘さはあるのだけれど、ぱっと見はパーフェクト。初めてやることでここまでの出来映えはこれまでなかった。ここまで書くとどんな仕上がりか気になるとは思いますがやっぱり画像はありません。

その2.家具等のオイル塗装
 先日座イスを購入したのだけれど、標準の塗装がポリウレタンなんとかという塗料で、オイル塗装にすると一脚3千円近く追加料金が発生するとのこと。オイルは玄関扉塗装用に以前買ったものが残っていたので、無塗装の座イスを買いそのうち塗装しようと思っていた。
 物はついでと座卓やキッチンのカウンターなどオイル塗装が落ち始めた家具にも塗布。何度かペンキ塗りやオイル塗装をして自分の刷毛使いの下手さに嫌気がさしていたので、今回はお試しで台所用スポンジを使用。これが大正解!伸びも良くムラも少なくなかなかの仕上がり。素人にはスポンジがお勧めかもしれません。これも画像に残しておけないのが残念。
 オイルは乾きが悪く、やすり掛けはまた明日。

その3.お風呂で読書
 湯船に浸かりながら読書。ビールを飲みながら1時間ほど。優雅だ。


さて明日は何しよう

抜けているのは空気じゃなくてお前だろ! [・・・なこと]

昼食の食材を買うため、家を出た。
車のエンジン音に気付いて、庭で遊んでいる娘たちが追いかけてきたら危ないので徒歩で出発。
最近サボっている庭づくりの参考に近所の家々を眺めながらおよそ10分。スーパーに到着して気付く。
財布を忘れた。エコバッグも忘れた。玄関のカギを掛けるのは忘れなかったはず。

家に戻る。庭からは娘たちの笑い声が聞こえる。
車に乗りたくなったが、ここで引き下がったらあの笑い声は自分に向けられる。
更に10分。スーパーに到着。体がポカポカしてきた。
買い物かごをカートにセットしてポケットから買い物リストを・・・忘れた。
もう戻りたくない。記憶に残るリストに頼る。


午後、一輪車のパンク修理に取り掛かる。
一通り調べたところ、虫ゴムの劣化による空気漏れだけだと判明。
虫ゴムを交換して、元通りにセット。
空気を入れて完了。

シュー

おかしいだろと思いつつタイヤを揉むとベコベコ。
虫ゴムはおかしくない。
音は空気を入れるところから20cmほど離れたあたりから発生。
もう一度チューブを外して調べなおすと、チューブに穴が2ヶ所。
チューブをタイヤに戻す時にマイナスドライバーで傷つけていた。

自分で掘った穴を埋める。
仕事は家庭には持ち込まない主義だが、仕事のやり方は家庭にしっかり持ち込んでいたようだ。

餅つき三年焼き八年 [・・・なこと]

 餅が好きだ!

 どれくらい好きかと言えば、・・・例えは全く出てこない。どちらかというと正月の儀礼的な意味を持つ食べ物として餅が好きだ。
 小林家では古くから元旦の朝食はお雑煮。椎茸でとった出汁に具材は鶏肉、かまぼこ、ほうれん草に椎茸。あけましておめでとうの挨拶と餅を何個焼くかを宣言するのが小林家の習いだ。
 ストーブで焼いてしっかり焦げ目のついた餅をお汁に入れ、刻んだユズをちょこんと乗せたら出来上がり。なんだかせわしない年の瀬が続くここ数年も、実家でこのお雑煮で食べて、胃からお正月を感じています。

 ところで、この週末は鏡開きで開いた餅をお汁粉にしていただきました。供えてあったお餅の青カビをこそげとって、ひびに合わせて出刃庖丁と木槌で開いたお餅を、義母が朝から炊いてくれた小豆の汁に入れて完成。砂糖をたっぷりと使って怒涛の甘さで脳天まで突き抜ける美味さでした。
 餅は昨年末に自家製ののし餅と鏡餅を扱っている和菓子屋さんを見つけ大満足だったのですが、問題は焼き。我が家はオール電化。子供も小さいのでストーブは持っておらず、魚用のグリルで焼きます。最強にして焼くと焦げ目もつくのですが、その焦げ方が熱線に合わせたラインでつくので趣が足りない。
 自分で書いていて些細なことにうるさいとは思うのだけれど、季節の味、ましてや年を始める味なのでとことんこだわりたい。

そこで・・・


越後か佐藤かは大きな違いだ! [・・・なこと]

 最近「持ち味」という言葉が好きだ。
 似ている言葉に「長所」とか「強み」があるけれど、この二つは外面を意識しすぎて鼻持ちならない感がいなめない。そこをいくと「持ち味」には甘い部分だけでなく苦みや渋みもひっくるめてハイどうぞ的な大らかさと、すごくおいしいんだけど、ちょっとキズがあるから3割まけとくね的な親しみがある。
 合コンで「私の持ち味は・・・」なんて言う女子がいたら内容問わずで恋に落ちる可能性96%。ただし合コンの予定は皆無です(妻よ、これが真実だ・・・って当たり前か、もうすぐ40歳だ)。

 いつもなら、ここで持ち味と餅味を掛けてオヤジ風味を漂わして終わりにしてしまうところだけど、たまにはもうちょっと。

 自分の持ち味はなんだ?
 仕事では数字の見せ方を考えたり、細かい数字の根拠を追ったりするのは得意だ。理屈っぽさも年を重ねるごとに増している。でももうちょっと生活力的な部分でアピールするなら「ゆるく続ける引き際の悪さ」かな。
 今は30分ほどの柔軟体操を日課にしている。日課と言いつつ何が何でも毎日やっているわけではない。仕事が遅くなったり休日に遠出をしたりするとあっさりとやらない。ただ一日二日休んでもそこで終わらずまた次の日から再開てなことを繰り返してもうすぐ1年。始める前からすると劇的に体が柔らかくなったということもなく、前屈しても指先は床から5cmほど上をさまよっている。たいした成果もあがっていないけど、月に1冊くらいは関連する本で理論も学んだりしながら楽しんでいる。
 そういえばこのブログもとってもゆるーく続いている。数か月休むこともあるし1年で10本ほどしか更新していないけど、止めるつもりもなく、気が向いて時間があって娘が寝ていると何か書きたくなる。今年もあと数本UPできたら良いな。

 さて、あなたの持ち味は何ですか?




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いい人について [・・・なこと]

世の中にはいい人と呼ばれる人達がいる。
昨日参加したバスツアーの添乗員はとても感じのいい人だった。
今日車検をしてきた板金屋の担当はとても愛想のいい人だった。

いい人、いい人、いい人・・・
繰り返し声に出してみると、どうでもいい人のように響いてくる。ただのいい人だと実態がなさ過ぎる。

いい人を細分化したら実態が出てくるのか?
頭がいい人、姿勢がいい人、性格がいい人(以前はパキはいい性格をしていると一週間に8回くらいは言われていたけれど、最近言われた記憶がない。目と性格の良さは自負するところがあったのだが改める必要がありそうだ)、星まわりがいい人、出自がいい人。
自分が知り得る限りのいい人をひねったけれど、やっぱりどうでもいい人感はいなめない。

そんないい人達が集まって、いい人 of いい人を選んだとしたら誰が選ばれるのだろう?
まず選ばれるのはパキだろって、それが言いたかっただけだろうと言われればその通りだと居直るだけだ。
それはつまりパキはどうでもいい・・・

科学は仮説によって成り立っている [・・・なこと]

仮説自体に良いも悪いもない。
猛暑でもうろうとした頭から生まれた仮説が検証という自転車で運ばれて思わぬところに行きつく。
最初の仮説は何の意味もなさなかったかもしれないが、そこから派生した新たな仮説が次の時代を作ることもある。

そこで仮説を1つ
「トマトには、足からにじみ出たエキスが養分になる」
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もしからしたら農業革命が起こるかもしれない・・・
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